スワイショウをご存じですか?手を放り出すように振るだけの簡単な体操なのですが、腰痛や肩こりの改善に効果がバツグン!それだけでなく心身をリラックスさせる効果もあるんです。手を振るだけの誰でもどこでも簡単にできる簡単気功体操「スワイショウ」を詳しく紹介します。今回は左右に振るスワイショウです。
スワイショウとは
スワイショウとは手を放り出すように振る体操で「甩手」と書きます。
「甩」という字はポイと放り投げるという意味。
両手を振り子のように付け根から大きく振る体操で筋肉をほぐして
全身をリラックスさせることができます。
気功体操の側面もあり太極拳などの準備運動や補足的な鍛錬法として
も取り入れられてますね。
スワイショウは腕を「前後に振る方法」と「左右に振る方法」とに
分けられますが、今回は「左右に振る方法」を紹介します。
スワイショウのやり方
手を左右に振るスワイショウのやり方です。
大きく手を振るので周りに障害物のない場所を選んでください。
立ちかた
足を肩幅に開いて自然に立ちます。
膝は軽く曲げ、背筋は真っすぐ伸ばしましょう。
背筋は真っすぐ伸ばすんですが、スワイショウを続けて行く内に
身体がほぐれて真っすぐになっていきますのでそれほど気にする
ことはありません。
それよりも「背筋を真っすぐに!」と力むほうが良くないので
「ちょっと背筋を伸ばそう」ぐらいでちょうど良いと思います。
つま先の向きは真っすぐかやや開き気味にします。
上体が左右に振られるのにあわせて下半身も左右に動きますので
膝に負担がかからないように足先の向きには注意しましょう。
手を振る
立つことができたら手を振っていきます。
両手を垂らした状態から始めても良いですし、少し開いた状態から
始めても結構です。
いずれにしても腕や肩はリラックスして脱力します。
初動は腰から
先ほどから「手を振る」と書いてといてなんなんですが
動き始めは手ではなく腰からです。
ゆっくりと腰を左にまわしてみます。
先ほど伸ばした背筋を軸にまわしていきましょう。
後ろを振り向くくらいまで体をひねると腰骨と脇腹あたりに
つっぱり感やねじれ感が出てくるとともに体を戻したくなって
きますのでそこで反対側にまわしていきます。
「後ろをふり向くまで体をひねることができない」という方は
今、振り向ける最大までOK。
ポイントは肩と腰とのズレ。
肩の方が腰よりもわずかでもひねることが出来れば体にねじれ感
が生まれます。
そのねじれ感を元にもどすようにして反対側に回しましょう。
これをくり返すうちに自然に動き出し、腰を左にまわった時は
左手は右の腰裏に軽くぶつかり右手は左腰骨のあたりにぶつかります。
反対に右にまわった時は右手は左腰裏にぶつかり左手は右腰骨あたりに
ぶつかります。
これをリズム良く繰り返していきます。
顔の向き
顔は「後ろを向く」やり方と「正面を向いたまま」のやり方が
あります。
最初は「後ろを向く」やり方がおススメ。
このほうが体を大きくひねりやすいからです。
正面を向いたままのやり方では顔の動きは小さくなりますが
肩や腰とのねじれが大きくなります。
最終的には正面を向いたままのやり方を求めたいのですが
力みが起きやすいのが難点。
まずはリラックスして顔を振り向くように大きな動きから徐々に
小さな動きにしていきましょう。
左右に振るスワイショウの3つの種類
左右に振るスワイショウは回転軸のとり方(重心の位置)によって
3つの種類に分けることができます。
この3種類についてはどれが一番良いということはありませんが
最終的には「体の中心に回転軸をとる方法」をできるように
なりたいですね。
とはいえ、この3つの方法の内「一番心地良い」方法をやりましょう。
日々の体調などにより心地良いやり方は変わっていきますので。
では、それぞれの方法を説明しますね。
回す方向に回転軸とる方法
腰を回す方向に軸をとります。
右に腰をまわす場合は右足(右の股関節)に軸がきます。
左足はつま先立ちになるように。
重心はつま先側になり、伸びあがるような力で腰を回します。
回す方向の反対側に回転軸をとる方法
先ほどとは反対に回す方向の反対側に軸をとります。
右に腰をまわす場合は左足(右の股関節)に軸がきます。
重心はかかと側になり、沈み込む力で腰を回します。
体の中心に回転軸とる方法
体の中心に回転軸をとります。
これは「回す方向に回転軸をとる方法」と
「回す方向の反対側に回転軸をとる方法」の合成です。
顔は正面を向いたままにして、腰や肩などもあまり振られませんが
両手は今まで通り左右の腰骨にぶつかるように大きく振ります。
回転するたびに感じる「ねじり抵抗」を使って体をまわします。
スワイショウの効果
スワイショウは簡単な動作ですがその効果は多岐にわたります。
その効果の一部を紹介します。
リラックス効果
スワイショウは手を振るだけの単純な動きの繰り返しです。
人間は一定のリズムで動くとセロトニンの分泌が活性化されます。
セロトニンとは「幸せホルモン」などとも呼ばれ、やる気や幸福感
を与えてくれる神経物質のこと。
ウォーキングやジョギングなどを行ったあと、気分がスッキリとして
リラックスできるのはこのセロトニンの分泌が活性化されたからです。
スワイショウはウォーキングなどと違い屋外に出ることもなく
僅かなスペースでこのリラックス効果を得ることが出来るんです。
(もちろん屋外でやるのはとても気持ちが良いです。特に早朝!)
血行促進
両手を体に巻き付けるようにふるスワイショウ。
腰から始動しつま先から顔まで動かす全身運動です。
手を大きく振ることにより身体の末端である指先に血液が集まり
更に血行を促進させるんです。
姿勢改善
動き(骨格、筋肉)のクセがとれて姿勢が改善します。
人にはそれぞれ動きのクセがあります。
最初に腹筋に力を入れる人、反対に背筋に力を入れる人などです。
いきなり肩に力を入れる人もいるかもしれません。
これが人それぞれの筋肉のクセなんですね。
そしてこのクセが骨格に影響を及ぼします。
スワイショウでは腕を左右に動かしますが、あくまで動きは回転軸が
作った重心移動や体の捩じりを戻す力です。
軸を意識して動き続けることによって、身体の重心が落ち着き
結果的に姿勢が改善されていくんです。
「軸の動きを感じながら振る」これがポイントです。
この姿勢改善が腰痛や肩こりの改善に効果を発揮します。
スワイショウを行う時間・回数
スワイショウは長い時間・多い回数行った方が良いのですが
最初は時間でいうと15分程度、回数では200回を目安として
行ってみてください。
無理は絶対に厳禁です。
効果を早く出そうと長い時間や多い回数にこだわりすぎると
却って逆効果になります。
自分の感覚に合わせて行ってください。
スワイショウを行う際の注意事項
様々な効用が期待できるスワイショウですが、いくつかの
注意事項があります。
無理は禁物
スワイショウは簡単な動きですが絶対に無理は禁物です。
特に無理に回転を大きくしないようにしてください。
無理な回転は腰や膝に負担がかかるばかりではなく姿勢が崩れる
要因になります。
今、自分が出来る範囲でOKです。
続けて行けば自然と大きく回転できるようになりますので。
「回す方向の反対側に回転軸をとる方法」では沈み込む力を
使いますのでやや膝が曲がりますが、ここでも無理に膝を深く曲げ
ないようにしましょう。
「スワイショウを行う時間・回数」でも書きましたが
効果を早く出そうと長い時間や多い回数にこだわりすぎると却って
逆効果になります。
自分が心地よいと感じる時間・回数で行ってください。
好転反応について
スワイショウを行っていると好転反応が出ることがあります。
好転反応とは身体の状態が改善に向かう過程で起こる一時的な不調
のこと。
眠気や頭痛、だるさなどが出ることがあります。
これは血液やリンパ液などの流れが促進されや身体に溜まって
いた老廃物等が排出されることで起きるのです。
心配はいりません。
好転反応が出た時は、水分をしっかりとりましょう。
スワイショウは続けても構いませんが、回数や時間を減らすなどの
調整をしましょう。
私の場合は眠気がでました。
数日経てば収まるので安心してください。
ただし、症状がいつまでも改善されない場合は医療機関を受診
するようにしてください。
まとめ
今回の記事では「左右に振るスワイショウ」を紹介しました。
「動き始めは腰から」と「軸の動きを感じながら」行うことが
ポイントです。
スワイショウのやり方は3つ
1 回す方向に回転軸をとる方法
2 回す方向の反対側に回転軸をとる方法
3 体の中心に回転軸をとる方法
でした。
最終的には「体の中心に回転軸をとる方法」が出来るようになれば
良いですが、どれが一番ということはないのでご自身が一番心地よい
と感じる方法で行ってください。
スワイショウ行う際は「無理は禁物」
無理に回転を大きくしても腰や膝に負担がかかるばかりか、姿勢が
崩れて効果が半減します。
ご自身ができる範囲で結構です。
自宅で簡単にできるのに、「腰痛や肩こりの解消」「心身のリラックス」
「姿勢改善」など様々な効果を得られる「スワイショウ」
ぜひお試しください。
この記事が皆様のからだ創りの一助になれば幸いです。
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