四股踏みと並び相撲トレーニングの定番の「テッポウ」。肩甲骨をはじめとする肩回りのトレーニングのイメージが強いですが、実は股関節を積極的に動かすやり方もあるのをご存じですか?このやり方は股関節の動きが良くなるのはもちろん、上半身と下半身の連携も向上する効果があるのが特徴です。今回はそんな「股関節を感じるテッポウ」のやり方を紹介します。この記事を読めば今までとは一味違うテッポウを味わうことができますよ。
相撲の基本技術「テッポウ」とは?
「テッポウ」(鉄砲)は、相撲の基本的な稽古方法のひとつです。
地面に柱を立てた「鉄砲柱」を、右手と右足、または左手と左足を同時に前に出し、
柱に打ち付ける動作を繰り返します。
主に上半身の鍛錬に焦点を当てており、肩甲骨周りの筋肉を動かしながら、
手と足の連動を高める動きが特徴的です。
この稽古の目的は相撲で重要な押す力や体幹を強化すること。
また、肩甲骨の柔軟性を高め、全身の連携力を鍛える役割も果たします。
主に上半身の鍛錬に焦点を当てたテッポウですが、
じつは股関節を積極的に動かす「股関節を感じるテッポウ」があるんです。
股関節を感じるテッポウのやり方
「股関節を感じるテッポウ」のやり方です。
基本的なやり方は一般的なテッポウと同じです。
空動作でも結構ですが、最初は押す対象があるほうが動きを理解しやすいと思います。
私のおススメは「立ち木」。公園などの立ち木を押すと気持ちいいですよ。
人の目が気にならない方はぜひ!
準 備
片方の手を腕を返した状態(肘を外側に張る)で柱などに手をつけ、
同側の足で片足立ちになります。
この時に手と足にしっかり体重を乗せておくことが大事です。
股間節を回す
体重を乗せた側の脚の股関節を外旋します。
股間節の外旋とは太ももの前面が身体の外側に回転する動きです。
例えばつま先を外側に向ける動きが外旋に当たります。
脚の付け根を意識してぐるりと内から外へ回します。
すると骨盤全体が回転して、浮いている脚が自然と体の反対側の前方へ動きだします。
右股関節をまわすと左足が右足の前に、左股関節ならば右足が左足の前にです。
腕が前に出る
骨盤の回転(下半身の回転)に伴い、上半身が回転し、腕が振られて前に出て行きます。
そのまま腕を振って柱などに打ち付けます。
ここで大事なのが腕や肩などの力を抜くこと。
腕は振られるに任せることが重要です。
股間節の回しと腕などの脱力が十分にできていると思った以上の力が発揮されます。
うまくいくとバシッと小気味いい音で柱に打ち付けることが出来ます。
繰り返す
以上の動作を左右入れ換えながら繰り返します。
最初は左右交互に20回ほどやってみましょう。
慣れてきたら徐々に回数を増やしてください。
一般的なテッポウとの違い
一般的なテッポウは柱を押す手(腕)を意識しますよね。
右で押す時は、右の脇を締め左の肘を外旋させます。
この時の下半身は右手ならば右足を、左手ならば左足を前に出すという動きになります。
動きのリードは上半身です。
一方、「股関節を感じるテッポウ」では押す時に股関節を意識するようにします。
なので動きのリードは下半身、特に股関節となります。
一般的なテッポウについての詳しいことはこちらからどうぞ。
自宅で出来る相撲トレ「テッポウ」で腕や肩の使い方を上手にして肩こりを解消しよう!
テッポウの基本的動作とやり方のポイント
正しいやり方を守ることでより効果的に体を鍛えられます。
以下が基本動作とポイントです。
基本的動作
基本的動作です。
「姿勢」「動作」「脇を締める」について解説します。
姿 勢
●背筋を伸ばし、腰を少し落とします。
特に柱などを押す時に背筋が反らない様に注意しましょう。
●足は肩幅ほど開き、45度程度に外側を向けるようにします。
動 作
●右手と右足を同時に前に出し、柱を叩きます。
●左手と左足も同様に交互に動かし、リズムよく繰り返します。
今回の紹介した「股関節を感じるテッポウ」では動きのリードは
「股関節の外旋」です。
脇を締める
●力が分散しないように脇をしっかり締めながら打ちましょう。
●柱につけている方の手も脇を締めます。
肘を外に張った「腕を返す」状態でも脇は締めておきます。
やり方のポイント
やり方のポイントは「リズムを大切に」「呼吸」「適度な脱力」です。
リズムを大切に
●呼吸と動作を連動させて、スムーズに行いましょう。
呼 吸
●柱を叩く瞬間に息を吐き、動作を戻す際に自然に息を吸います。
適度な脱力
●強く柱を叩きたくなりますが、肩や腕などに力が入ると逆効果です。
適度に脱力をして体幹の回転につられて腕が前に出るように意識した方が
かえって強い押しになります。
テッポウの動作がもたらす身体全体への健康効果
テッポウの動作は相撲の基礎的なトレーニングのひとつとして、
身体全体に多くの健康効果をもたらします。
肩甲骨周辺の筋肉強化
テッポウの動作により、肩甲骨周辺の深層筋(インナーマッスル)を刺激します。
これが肩こり解消や姿勢改善に繋がります。
全身の連動性向上
手と足を連動して動かすことで、身体全体の筋肉を効率よく使う感覚を磨けます。
体幹強化
体幹の動作が主導となるため、体幹をしっかり使うことができ強化できます。
血流促進
肩甲骨や股関節を大きく動かすことで血流が促進されます。
まとめ
今回の記事では「股関節を感じるテッポウ」のやり方を紹介しました。
一般的なテッポウは上半身を鍛えるイメージが強いのですが
「股間節を感じるテッポウ」では下半身、特に股間節を主導的に使います。
具体的には股間節を外旋することによって腕が前に出すようにします。
この要領でやると、股関節の動きとともに、上半身と下半身の連動も向上させることができます。
うまく出来るとバシッと叩きつけることができて気持ちいいですよ!
もちろん、柱がなくても壁や空間を使って行えるので、気軽に取り組んでみてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございます。
この記事が皆様のからだ創りの一助になれば幸いです。
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